創世記
要約 創世記は、天地を創造された神が、罪によって堕落した人類を見捨てることなく、契約を通して関係を回復し、贖いの歴史を始められる、聖書の出発点であり、壮大な序幕を開く書です。
- 執筆年代
- 紀元前1445~1405年(伝承)
- 時代
- 創造の時代から族長時代まで
背景
創世記は、よく「聖書の入り口」と呼ばれます。世界と人間がどのように始まったのか、罪がどのように入り込んだのか、そして神が人間をどのように再び回復し始められるのかを示す書だからです。 ヘブル語の書名「ベレシート(בְּרֵאשִׁית)」は「初めに」という意味です。単に時の始まりだけを語っているのではなく、聖書全体へと続く神の救いの物語がここから始まるという意味として見ることができます。 創世記は、多くの神々を拝んでいた古代社会の中で記されましたが、明確なメッセージを伝えています。太陽と月と星を含むすべてのものは神々ではなく、ただひとりの神が造り、治めておられる被造物であるということです。 また、人間を単なる労働力や宇宙の一部品と見るのではなく、神のかたちに似せて造られた尊い存在であると語ります。これは当時の世界観と比べると、非常に特別な宣言でした。 しかし人間は罪によって神との関係が壊れ、その結果、苦しみと死が世界に入り込みます。それでも神は人間を完全に見捨てることはなさらず、裁きの中にあっても約束と恵みを保ち続けられます。 ですから創世記は、単に「世界はどのように始まったのか」を説明する書ではなく、堕落した人間を再び救い、回復される神の物語が始まる書であると言えます。
内容
創世記は聖書の最初の書であり、世界と人間がどのように始まり、神の救いの歴史がどこから出発するのかを示しています。宇宙といのちは偶然に生じたのではなく、神のみこころと計画の中で創造されたと語ります。 創世記は、大きく1~11章の原初史と12~50章の族長物語とに分かれます。原初史では、創造と堕落、洪水、バベルの塔の出来事を通して、人間の罪と神の裁きという根本的な問題を扱います。これを通して、人間が自ら罪の問題を解決したり、神との関係を回復したりすることはできないことを示しています。 その後、族長物語では、アブラハムとイサク、ヤコブ、ヨセフの物語を通して、神が一つの家系を選び、契約を結び、救いの歴史を具体的に推し進めていかれる過程を示しています。 結局、創世記は、人間の罪と失敗にもかかわらず神が人間を見捨てることなく、約束と契約を通して救いと回復の道を開いていかれるという事実を示す書です。