ヨシュア記
要約 ヨシュア記は、神がすでに約束された地を、ご自分の民に実際に与えられる過程を示す書です。この書は、約束を最後まで成し遂げられる神の真実を示しています。
- 執筆年代
- 紀元前1400年頃(伝承)
- 時代
- カナン征服の時代
背景
ヨシュア記は、申命記の後、イスラエルの民がヨルダン川を渡って約束の地カナンに入る時点を背景としています。モーセは死に、ヨシュアが新しい指導者として立てられましたが、この変化は指導者の交代ではなく、神の契約が引き続き受け継がれていることを示す場面です。 カナンの地は空っぽの地ではなく、すでに多くの民族が住んでいた所でした。ヨシュア記は、この地の征服を人間の力や戦略の結果として説明せず、神がアブラハムに約束された地を定められた時に与えられる方であることを強調します。この書の背景には、「わたしがあなたがたの先祖に誓った地を与えた」という神の契約の宣言が置かれています。
内容
ヨシュア記は、大きくカナンへの入国、地の分配、そして契約の再確認という流れで展開されます。書の序盤では、ヨルダン川の渡河とエリコの城の陥落を通して、約束の地に入る過程が人間の能力ではなく神の力によって成し遂げられたことを示しています。 続く征服の物語は、イスラエルの軍事的な卓越さを強調するよりも、神の命令への信頼と神の介入が結果を左右したことを明らかにします。失敗の事例でさえ、神に拠り頼まないときにどのような結果が伴うのかを示しており、勝利と敗北のすべてが神の主権のもとにあることを証ししています。 後半では、カナンの地が各部族に分配される場面が続きます。この分配は地を手に入れるための競争の結果ではなく、神が各部族に嗣業を分け与えられる恵みの行為として描かれています。最後にヨシュアは、神がどのような方であるかを民に改めて思い起こさせ、契約のうちにとどまるよう勧めます。 結局、ヨシュア記は人間が約束を成就する物語ではなく、神がご自身の約束を実際の歴史の中で成し遂げていかれる過程を示す書です。